第三次ソロモン海戦/太平洋戦争初の戦艦vs戦艦

 第三次ソロモン海戦は、1942年11月12日から15日にかけて起こった日本海軍と連合軍海軍による海戦です。2度の夜戦が行われ、結果は戦艦2隻を失った日本の敗北に終わり、ガダルカナル島への日本の増援も阻止されました。この第三次ソロモン海戦を境に、ガダルカナル島を巡る戦いは徐々に連合軍優勢へと傾いていくことになります。

日米の激戦が繰り広げられたソロモン諸島

★日本軍の増援作戦

 1942年11月、ガダルカナル島では、いまだ日米による激しい攻防が続いていました10月に起きた空母同士の決戦、南太平洋海戦で戦術的に勝利した日本軍でしたが、第二師団の総攻撃は失敗し、またも日本軍はガ島を奪還することができませんでした。さらに、南太平洋海戦で損害を蒙った機動部隊が引き揚げたことで、ガ島を巡る戦いはアメリカ有利に傾きつつありました。そのため、陸軍は新たに第三十五師団・第五十一師団を増援としてガ島に送ることを決定し、海軍による輸送作戦が実施されることになりました。

南太平洋海戦

★比叡・霧島による飛行場砲撃

 増援の輸送に伴い、海軍は船団への脅威となるガ島のヘンダーソン飛行場に対して、以前に戦艦「金剛」「榛名」が実施して効果を上げていた艦砲射撃を再び行うことを決めました。戦艦「比叡」「霧島」を中心とした第五次挺身隊が編成され、ガ島へ向けて出撃します。「比叡」「霧島」はともに就役後30年近くが経過した老齢艦でしたが、「金剛」「榛名」と同じく30ノットの高速を誇る金剛型戦艦で、使い勝手もよく、機動部隊の護衛など多方面で活躍していました。
 輸送船団のガ島への到着は11月13日を予定しており、9日午後3時40分、近藤信竹中将を指揮官とする第二艦隊はガ島砲撃のためトラック島を出撃しました。対する米軍も10日には日本軍の動きを察知しており、ダニエル・キャラハン少将が指揮する巡洋艦を中心とした第67.4任務部隊を迎撃に向かわせます。さらに、ヌーメア泊地にいた戦艦「サンフランシスコ」「ワシントン」を出撃させますが、この2隻は第一夜戦には間に合いませんでした。

ヘンダーソン飛行場

★第一夜戦参加兵力

●日本海軍 挺身攻撃隊
戦艦「比叡」「霧島」
軽巡「長良」
駆逐艦「天津風」「雲風」「暁」「雷」「電」「照月」「朝雲」「村雨」「五月雨」「夕立」「春雨」

戦艦「比叡」

●アメリカ海軍 第67.4任務部隊
重巡「サンフランシスコ」「ポートランド」
軽巡「ヘレナ」「アトランタ」「ジュノー」
駆逐艦「アーロンワード」「バートン」「モンセン」「フレッチャー」「カッシング」「ラフェイ」「ステレット」「オバノン」

重巡「サンフランシスコ」
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